岩宇のウニは3度おいしい。漁師手づくりの甘漬けウニ

COLUMN
2020/10/03


岩宇エリアの特産品といえば、なんといってもウニ。実は、岩宇には3つのウニの楽しみ方があります。今回はウニを知り尽くした漁師が作る岩宇の名産品、夏ウニの旨みをしっかり詰め込んだ「甘漬けウニ」をご紹介します。



長期保存できて、旨みが凝縮

まったりと濃厚で、口に入れるとふわっと溶けていく…。岩宇のウニの“まごうことなきおいしさ”は、すでに皆さんの知るところかもしれません。軍艦巻きや丼ぶりにするのはもちろん、パスタやグラタン、炊き込みご飯などのアレンジもできて、料理をぐっと華やかにしてくれます。



実は、岩宇のウニには三つの楽しみ方があります。一つ目は毎年6〜8月まで磯舟漁でとる天然の「夏ウニ」、二つ目は11〜12月に水揚げする養殖の「冬うに」、そして三つ目がウニの加工品「甘漬け」です。


甘漬けとは、いったい何なのか。精選版日本国語大辞典で【甘漬け】を調べてみると、以下のような説明が。


① 塩けを薄くして漬けた漬物。甘塩の漬物。※延喜式(927)三九「漬年料雑菜 蕨二石〈略〉瓜味(あま)漬一石」※色葉字類抄(1177‐81)「味漬(アマヅケ)」
② 大根を軽く干し、薄塩とこうじで漬けたもの。あさづけだいこん。〔本朝食鑑(1697)〕



“甘い漬物”と書きますが、砂糖が入っているわけではありません。ウニの甘漬けも、使うのは夏にとれた旬のウニと塩のみ。保存性を高め、身崩れを防ぐために使うミョウバンは、苦味や独特の匂いがあって苦手な人も多いかもしれません。ですが甘漬けは余計な味付けはせず、ウニの旨味をそのまま閉じ込めたもの。冷凍すれば1年持ちます。


佐藤さんちの甘漬けづくり

神恵内村で甘漬けづくりがスタートしたのは、今から25年ほど前のことでした。それまで、ウニの販売は殻付きか「板ウニ」が定番でしたが、村の中でウニの加工品づくりに詳しかった漁師の澤口成吉さんの指導の下、それぞれのウニ漁師が製造を始めました。



当時は多くの漁師がウニの甘漬けを作っていて、玄関先には「甘漬け販売中」の旗がはためいていたそう。観光客もたくさん訪れていて村の道路が渋滞するほどでしたが、残念ながらその風景も見られなくなってしまいました。現在、村内で甘漬けを作っているのは6~7軒ほど。漁師の高齢化も進んでいます。


「ウニの身の状態は、時期や場所によっても変わってくるから。まずは、やっぱり良いウニを見つけられるかどうかだな」と話すのは、KIT BLUEブログでおなじみの佐藤孝治さん。



甘漬けづくりで使用するのは、その日にとれた新鮮なウニ。殻をむき、不純物を取り除いてから、塩水を含ませたサラシに塩を振り、その上に一つずつ丁寧にウニを並べます。それを交互に重ねていき、浸透圧でウニの水分を抜いていくのが基本です。


そうして、しばしの休憩タイム。味がなじんできたら瓶に詰めます。ここまでの作業はすべて手作業。時間はかかりますが、この行程を経ることでウニの旨みがギュギュギュっと凝縮するのです。




「その日のウニの“感じ”を見きわめて、塩分量や水抜き時間、味を慣らす時間を絶妙に調整するんですよ。地域によっても塩加減が違うみたいだけど、うちの甘漬けは塩味が強すぎなくて甘みがあるのが特徴かな」と奥さん。この塩分濃度や時間の調整は、ウニを知り尽くしているからできる技でもあります。


「自分御用達」を見つける楽しみ

佐藤さん夫婦が語るように、それぞれの漁師がとるウニの違い、絶妙な塩分コントロールの違いでオリジナリティが出るのが甘漬けのおもしろさ。食べ比べて「自分御用達」を見つけてみてください。実は漁師の皆さんにはそれぞれお得意様がいて、毎年予約注文を受けつけているそう。大体的に販売していない場合もありますので、コンプリートするのは至難の業…かもしれません(笑)



ウニの甘漬けは、ご飯のおともやお酒のアテにぴったり。おにぎりの具にして、村の岩海苔で作った板のりで包んで食べるのも最高です!佐藤さんが作る甘漬けは「KIT BLUE」で購入できます。その他の甘漬けは「神恵内村ふるさと納税」の返礼品、「道の駅 オスコイ!かもえない」でも販売されているのでチェックしてみてくださいね。


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