アクティビティから見えてくる、新しい海の親しみ方。泊村・さかずきテラスから、岩宇の魅力を届けたい。

COLUMN
2018/09/10


海と共に生きてきた私たちの町、神恵内村・岩内町・泊村。一つの海を共有しながらも、カラーがそれぞれ異なるのが特徴的です。今回は、2015年にオープンした「さかずきテラス」の店長・平尾恵美さんに、盃の海の魅力と、海との親しみ方について教えてもらいました。


それぞれの“色”を持つ海の風景

 私たち「株式会社キットブルー(KIT BLUE)」がある神恵内村・岩内町・泊村は、岩宇(がんう)の海と共に生きてきました。キットブルーが取り扱っている商品たちも、この海がなければ皆さんの下にお届けすることはできません。


 ところで、同じ海を臨む3つの町村ですが、不思議とそれぞれがまとう印象は異なります。

 例えば大きな漁港がある岩内町の海は、商いのイメージ。漁船が港を行き来し、わさわさと荷揚げを行います。イカの季節ともなると、全国からイカ釣り漁船が港に押し寄せる姿は圧巻。漁業とともに水産加工業も発展し、おいしい海産物を味わうことができるお店もたくさんあります。

 神恵内村の海には、天気が良く風の穏やかな日には幾つもの小舟が浮かび、家々で行われるウニむき作業など漁村の暮らしが垣間見えます。海岸沿いにはニシン漁で使われていた「袋間(ふくろま)」の跡があちこちに見つかり、ノスタルジーを感じる海と言えるかもしれません。

 
 そして、3つの町村の中継地点となる泊村の海は「日常と非日常が交差する海」。新たな海の親しみ方を届ける海です。


海がもたらす、特別な時間

 岩場を歩いてカニ獲りをしたり、素潜りをしたり…。昔から海は地元の子供たちの遊び場でした。海を守りたいという地域住民の心は、ゴミ一つない浜の美しさに現れています。そんなふうに、この町の日常はいつでも海の側にあります。

 では、非日常が感じられる海とは何なのでしょうか。



 その答えは岩宇の海で唯一ダイビングやカヤックなどのアクティビティが楽しめる「盃(さかずき)海水浴場」、そしてアクティビティの窓口であり、カフェとしても利用できる「さかずきテラス」にあります。


 
 テラスの店長を務めるのは、平尾恵美さん。平尾さんは2018年1月、札幌から神恵内村に住まいを移し、盃の海や地域と共に暮らす生活を始めました。移住歴はまだ短いですが、その中でも盃の海に感じる「日常と非日常」が好きだと言います。



「テラスから見える“弁天島”がいいですよね。島の裏側まで歩いて行けるんですけど、釣りのポイントになっているので、釣り人がよく訪れています。

 盃の海は、積丹ブルーにグリーンを足したような奥深い色がすてきです。海水の透明度が高く、海底が砂地で、水深が比較的浅いといった条件が重なっているからなんですって。
 私は趣味でダイビングをやるんですが、この海は魚影が濃い(魚の数が多い)と感じています。ビーチエントリーができるのでダイビング初心者にもチャレンジしやすいんじゃないかな」



 海の中はクサフグやイソマテング、ヒラメ、ブリなど、砂地や岩場に生息する魚たちがたくさん集まります。同じ積丹半島の美国では単体で活動するアミメハギも、盃では群れで見られることもあるんだとか。



「ダイビングの魅力は、非日常を体験できること。今の時代、身の回りではいつでも携帯の音が鳴り、車のエンジン音が聞こえるのが当たり前ですが、海の中で聞こえるのは自分の吐いた空気の泡の音だけ。人の声すら聞こえないので、まるで違う世界にいるみたいです。

 私自身は人とおしゃべりするのが大好きで、それが日常ですが、海の中では何も考えずにいられます。魚の写真を撮るのも楽しいけれど、魚が見れなくたっていい。無重力のような不思議な空間を感じるだけでも、何とも言えない充実した時間になるんです」



 ダイビングは少し敷居が高いな…と思う人は、カヤックを。船やボートとも異なり、海面をじかにすーっと滑る感覚。背の高いビルも工場も電線も、視界を遮るものは何一つなく、広がる青い空間はまさに非日常です。


地域住民と共につくる、海の価値

「もっというと、テラスに来て、何もしなくてもいいと思うんです。コーヒーを飲みながら、海の色が変わる様子をぼぅっと眺めたり、波の音に耳を傾けたり…。都会では作れない“何もしない時間を過ごせる場所”が、盃の海にはあるので。

 最近では『海は毎日見ているから…』と遠慮されていた地元の人たちが、テラスに足を運んでくれるようになりました。家から見る海とは違う、新鮮な風景を楽しんでもらえているみたいです。今後は地域住民に向けたアクティビティ体験なども企画し、新たな海との親しみ方を知ってもらうとともに、この海の価値を広めて行きたいですね。

 ありきたりかもしれないけれど、岩宇に住んでみて、日々の暮らしがとても楽しい。自分がここで何をしたいのか、本気の姿勢を見せれば応援してくれる人がたくさんいますから」


 
 もしよかったら、ぜひ一度、盃の海を訪れてみてください。きっと、皆さんにとっての海との親しみ方が見えて来るはずです。